(5)研究支援プロジェクトD(勝山村立勝山小学校 研究者 日本女子大学 澤本和子さん)
 一般参加者10名。5年生国語の学習から「伝え合う力」を題材に授業提供していただいた。授業研究会では、対話リフレクション+フリーカード法+全体討議を行った。特に全体討議では、南都留地区教育協議会事務局がコーディネーターとなり、本研究委員がグループ討議をとりまとめた。各グループからの発表や個々の意見などを全体討議の中でをホワイトボードに書き表し、討議を進行した。

(6)研究支援プロジェクトE(白根町立白根飯野小学校 研究者 お茶の水女子大学 無藤隆さん)
 一般参加者10名。5年生の授業。「算数科から発展する総合的な学習」をテーマに行った。教科なのか、総合なのか参加者が熱心に討議できる内容のある授業提供となった。
 授業研究会では対話リフレクション視聴後、小グループ編成によるフリーカード法に取り組み、グループの発表を受けて、全体討議となった。ここでも中巨摩地区教育協議会事務局がコーディネーターとなり、全体の討議をスムーズに進行することができた。

7.成果と今後の課題について
(1)研究支援プロジェクトA・B・Cから
 今回の研究支援プロジェクトBで協力校となった増穂町立増穂小学校では、この7月までの校内研究会において、提起した授業研究の手法を使って取り組んでいる。
 増穂小の校内研究会(8月)の折りに、一連の授業研究の方法についてアンケート調査したところ以下のような課題が挙げられた。「対話リフレクション」については、「授業者の自然なふりかえり」や「わかりやすい反省」が多く挙げられた。しかし、「メンター役の難しさ」「一つ一つのふりかえりへの深まり」などが課題として指摘された。また、「フリーカード法」についても「全員が意見を出し合えること」「視点が明確になること」などの良さが挙げられる反面、「時間がかかること」「授業案の検討などはどうすればよいのか」「グループ討議から全体の討議へ」「授業研究法の提起は学校実態に合わせて慎重に」などの課題を指摘していただいた。
 対話リフレクション・フリーカード法の方法について研究会で説明する必要があったため、どうしても2時間以内の時間設定の中では方法論だけにふりまわされてしまい、全体討議が不十分であることが一番の課題であった。

(2)研究支援プロジェクトD・Eから
 研究支援プロジェクトD・Eでは事前に各校の研究会で演習してもらい、実質の研究会に時間が使えるようにして行ってみた。この結果、「対話リフレクション・フリーカード法・全体討議」の一連の流れで研究会をもつことかできた。
 また研究会の広がりという視点から、各地区教育協議会が今回から授業実施校の授業研究会コーディネーターをしていただいた。これについては、「授業協力校・地区教育協議会・教育研究所」という協力体制による方式が、研究会の充実を得ることが事後調査からも指摘されている。
 なお、プロジェクトに参加した方々を対象に上記に記述したような事後調査を以下のように行った。

@授業研究方法についての質問紙調査
A各グループが作成したフリーカード図を資料とし て送り、「私の授業ふりかえりの視点と全体の視 点」などについての自由記述調査
 これらについては、現在、日本女子大学 澤本研究室の協力を得て、調査データの集約と考察を行っている。

8.おわりに
 多忙な学校現場、授業研究の重要性を認識しながらも緊急な課題に取り組まなければならない教師。めまぐるしく動く教育改革の流れ。そのような中で求められる授業改善やカリキュラム開発能力。
 教育研究所と各地区教育協議会が起点となって、学校現場の校内研究会を「授業をひらき 校内研究会をひらく」という視点から支援する取り組みについて紹介してみた。
 学校現場へのゆるやかな促しによって「ささやかな日常の授業をひらき、校内研究会をひらこう」という学校現場の主体性と自律性を大切にして支援していく取り組みが、今後幅広く学校現場で受け入れられていくか。
 多くの課題を抱えながらも、提起したような思いをもって学校を基盤に立ち上がる授業研究会として今後も学校校内研究会を支援する中で、指摘された課題の克服に取り組んでいきたいと考えている。

 最後に本研究を進めるにあたって、エントリーして下さった授業協力校には心からお礼申し上げます。
【授業協力校】
甲府市立北新小学校    身延町立下山中学校
河口湖町立大石小学校   増穂町立増穂小学校
甲西町立落合小学校    勝山村立勝山小学校
白根町立白根飯野小学校

【使用参考文献】
○「学校を創る」
  (大瀬 敏明  佐藤 学 小学館 pp.51-54)
○「授業技術講座 基礎技術編 2授業を改善する 授業  の分析と評価」
  (東 洋・中島 章夫 監修 1998 ぎょうせい)
○「成長する教師」 
  (浅田 匡・生田 孝至・藤岡 完治 編著
   1998 金子書房)
○「授業研究の新しい展望 上巻」
  (水越 敏行 監修 梶田 叡一編著 1995)



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