(3)2つの実践から成果と課題
 小学校、中学校各1校での授業研究会から以下の点が課題として挙げられた。@「日常性のある授業提供」にかかわって、授業を見せることや参加者を意識した部分がどうしても見られること。A授業研究の手法に関して、フリーカードで用いた付箋紙の記述内容量が多く、分類作業だけに終わってしまったこと、また対話リフレクションのメンターが大学研究者でない場合にどうなるのかB「ふりかえり」を中心とした授業研究の手法だけで果たして「カリキュラム開発能力の育成まで行くのか」といった点が挙げられた。
 これらの課題を克服すべき取り組みとして研究支援プロジェクト(平成14年6月より)を立ち上げた。

6.研究支援プロジェクトの実際
(1)研究支援プロジェクト(平成14年度)の
   特徴
 「ボトムアップ型授業研究会」(平成13年度)の取り組みと課題を引き継ぐ形で、「研究支援プロジェクト」(平成14年度)に取り組んだ。基本的なコンセプトは全く同様で、@日常の授業と校内研究会をひらくことを促すことA会費制の研究所の特徴を生かし、会費を学校へ還元する形として招聘する大学研究者の謝金・交通費を研究所が負担することB「対話リフレクション+フリーカード法+全体討議」を授業研究の山梨方式として提起していくことC事前の単元検討について「ウェビング」を取り入れた方法を研究していくこと、以上の4点を重点とした。
 前年度同様、授業協力者及び協力校は、完全公募で小学校2校(研究支援プロジェクトA・B)がエントリーした。また、前年度からの課題であったカリキュラム開発能力の育成につながると仮定した「対話リフレクションやフリーカード法」などによるワークショップ型研究会に加えて、事前の単元検討において「ウェビング」を活用する方法については大学研究者の指定によって該当校(研究支援プロジェクトC)の協力を得ることができた。

(2)研究支援プロジェクトA(河口湖町立大石小学校 研究者 お茶の水女子大学 無藤 隆さん)
 一般参加者10名。3・4学年合同の「総合的な学習の時間」を参観した。日常性のある授業を提供していただくことができた。授業研究会では、「フリーカード法」を中心に活動を進め、各グループで作成したフリーカード図を使って全体討議を行った。このあと、本単元を核に「ウェビング」を各自が作成し、今後の単元設計や授業展開について話し合うことができた。作業時間が多くなり、全体討議に時間が十分にかけられなかった点が課題となった。

(3)研究支援プロジェクトB(増穂町立増穂小学校 研究者 日本女子大学 澤本和子さん)
 一般参加者23名。4学年国語の授業を研究素材に「対話リフレクション+フリーカード法+全体討議」を行った。ここでは対話リフレクションの対話者役に学年同僚教師が相手となり、授業者への「気づき」を促した。また、「フリーカード法」では、グループ毎に取り組み、外部参加者も交えた中で活発な意見交換が見られた。課題としては、各グループの討議を出し合う中で全体討議ができなかったことであったが、フリーカード法においては付箋紙の記述への工夫など北新小での課題が実際に生かされた結果となった。

フリーカード法の実際

(4)研究支援プロジェクトC(甲西町立落合小学校 研究者 立教大学 奈須正裕さん)
 一般参加者30名。落合小学校の校内研究会(90分間)を参加者が視聴するという設定で実施した。落合小学校では総合的な学習の単元検討を「ウェビングマップ」を資料に子どもの現実態を中核に討議した。ウェビングマップの見取り方、子どもの現実態と総合的な学習のねらいとの重ね合わせなど参考になる研究会となった。今後、授業研究会で活用できる印象を得た。

ウェビングマップ検討

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